公務員から転職して感じたこと

新卒で入った地方公共団体で数年間働いて、今回、GMOペパボ株式会社に仲間に入れてもらった(この経緯もいつかまとめられたらと思っている)。
ここでは、公務員という立場から転職して感じた違いについて書いてみる。

一言でいうと、全体的にワンダーランドだった。
共通点の方がむしろ少なくて、いちいち新鮮で面白かった。
入る前の想像と違うということでなく、頭で理解しているのに体がついていかないというような感覚だった。単に仕事内容や進め方の違いだけでなく、何を大切にするかという根本的なところが違っていたので、そう感じたのだと思う。
たくさんの違いの中でも、象徴的だなと感じたのは以下の2点だった。

  • 楽しむということ:
    当初、言われた言葉「楽しんでやりましょう」。
    楽しむって何だと思った。今まで、楽しそうにしていると通報されることのある立場だったから(改めて考えるとすごい)、無意識に自制するようになっていた。
    仕事を楽しむってどういうことかわからなかったけれど、まずは「見当違いかなと思ってもとりあえず手を動かしてやってみる」ことをしようと考えた。
    前職で難しい対応をする時、相手の課題をより良く解決しようという視点でなく、訴えられない等の自分を守る視点になっていることが時々あって、そういう時は本当に楽しくないし、その守るという結果以外、何も新しいものが生まれなかった。1
    おそらく、楽しむというのはそれと逆で、フラットな状態で物事に接し、前向きに取り組んで、結果としてもっとおもしろいものが生まれる、という状態なのかなと現時点では考えている。

  • 組織への愛情:
    最も違いを感じた部分かもしれない。
    新卒生の研修終了の会を見ていて、ペパボへのある種純粋すぎるほどの愛を感じて、すごくまぶしかったし、その一員となれたことを嬉しく思った。
    同時に、前職の若手の仲間の顔を思い出していた。ペパボと同じくらい、前職の皆も住民のために頑張っていて、概ね人間関係も良好なのに、なぜ組織への誇りを持てない雰囲気だったのか 2 、そういう空気しか作れなかったことを後輩に申し訳なく思った。
    ペパボの雰囲気は、各人が醸成している部分もあるし、そうなるように意識的に作り維持されている部分もあるのだろうと思う。私はそれをいいなと思って入ってきたので、どうやって作られたものなのか観察して、前職との違いを生んでいる原因は何か考えたいと思っている。


  1. 色々な前提が異なるので、仕方ない部分もあると思う。きっと、その職場ごとに「楽しんで仕事をする」ということの姿は異なっている 

  2. 個人的な感想。あの場所だからこそ学べたこともいっぱいあったし、転職した今もお世話になった先輩・後輩への感謝の気持ちは強い 

1ヶ月めにやった学習のふりかえり

学習に入る前の状態

  • データ分析・プログラミングとも未経験で、全く別分野の仕事をしていた
  • 休日に趣味として少し勉強していた
  • データ分析は、本当に基本的な統計の本を何冊か読み、当時触っていたデータが時系列データだったので、それに必要な専門書を数冊斜め読みした
  • プログラミングは最初Pythonを勉強していたけど、具体的にデータ分析ができるレベルになるのはなかなか難しいと感じ、途中からRを使うようになった
  • 手元のデータを実際に触ってみて、わからなくなったら参考書に戻って、という繰り返しをしていた

1ヶ月目にしようとしたこと

大まかには、下記3領域について1

  • 事業ドメイン領域
    事業に関し、社内/外部・競合/ユーザーの概要について理解する

  • データサイエンス領域
    基礎的な統計知識を身につける : 「基礎統計学Ⅰ 統計学入門」
    データ分析の概要を掴む : 「データサイエンティスト養成読本」

  • データエンジニア領域
    Pythonの基本的な文法の使い方を習得する : 「詳細!Python3入門ノート」

結果、できたこと

事業ドメイン領域

  • 事業の概要についてお聞きした。
  • ユーザー側にいた時にはわからなかったサービスの現状や課題、目標を知ることができた。ただ、今知っているのは本当に概要のまとめで、もっと事業ドメインの知識やその肌感覚を知らないと、仮に分析手法が身についたとしてもできるのは表面的な分析になってしまうだろうと感じた。
  • 今後、特にディレクターの方が、日々何に取り組んでいるか、具体的に何を解決しようとして今何を考えているのかを知ることで、自分の中の理解を深めたい。CSの方が日々どんな問合せを受けているかという点もデータの宝庫だと思うので、お話をお聞きしたいと思った。

データサイエンス領域

「基礎統計学Ⅰ 統計学入門」

  • 原則毎日1時間、読書会をしていただいた。1冊の1/3くらいまで進んだ。自分で読んで理解した内容を言葉にしたりホワイトボードに書いたりして、逆に理解できなかった部分を教えていただくような形式で進めた。読書会後、内容をまとめていると、実は理解できていなかったことに気づいて考え直すこともしばしばあった。
  • 今までは、初学者向けの本を数冊と、趣味でやっていた分析に必要な部分の本を読んでいるだけだったので、この本によって網羅的に知識を身につけることができると思う。
  • 統計学的にでなく数学的に理解ができず時間がかかった部分があったので、微積や行列など、統計に関連する部分の復習をしたい。

「データサイエンティスト養成読本」

  • 読んで、不明な点を調べてレポートにまとめ、それに対しレビューしていただく形で進めた。3章分。データ分析の流れや各段階での注意点、データベースについて等。
  • 本で解説している用語に対し、その解説内で出てくる単語がわからないという状況だったので、調べる中でおぼろげにデータ分析の世界が見えてきたような知識レベルにいる。実際に分析をやっていくことで、こういうことを言っていたのかと理解できるようになるのではないかと思っている。
  • 分析結果の表現はその意図がなくても恣意的になってしまうので、自身に対する健全な猜疑心が大事という文が印象的だった。確かに、導いた結論を象徴している部分に注目しがちになるので、気をつけたいと思った。

データエンジニア領域

「詳細!Python3入門ノート」

  • 写経してjupyter notebookに章ごとにまとめ、レビュー(不明点についての回答やコードの書く際の注意点など)していただく形で進めた。一応1冊最後まで一通りやった。
  • 前半は以前に自分で学んでいた内容と概ね重なっていたが、後半ジェネレータやクラスの辺りは初見の部分があり時間がかかった。まだ腹落ちした感覚がない部分もあるけど、何度も触れることで頭の中にその分野の回路ができるので、定期的に復習するようにしたい。

全体的な感想

  • 学習に対して、1ヶ月はあっという間だった。もう少しスピードを上げていきたいと思いながら、この業界にいる人はおそらく身についているのが当然なのであろうGitやシェルの使い方など、基本的な部分で引っかかって時間を食うことが多かった(自分で調べて解決する力が必要なので、無駄ではないとは思う。また、ごく基本的な部分しかわかっていないので、もっと習熟する必要がある)。

  • 20代の時間を別分野の事に使ってきたので周りの方との差があるのは当然で、焦りはあるけれど、毎日今の自分にできる、自分の力を伸ばすためにできることは何か考えて、それに取り組み続けるしかないと思う。やりたいことはいっぱいある一方、1日で進むのは微量でもどかしいけれど、3ヶ月後、1年後の自分に期待するわくわくする気持ちがあって、自分は学び続けることができることを知っているので、がんばりたい。


  1. データサイエンティスト協会が示している「データサイエンティストに求められるスキルセット」の3つの領域より http://www.datascientist.or.jp/news/2014/pdf/1210.pdf