Notionで学習管理をしてみた半年のふりかえり

Notionを利用して、自分が学びたいことの進捗管理を半年間やってみた。
具体的にどうやったか、そこから気づいた改善点についてまとめる。

課題認識

今まで、なんとなく「これ勉強しないと」「こんなの作ってみよう」と脳内で考えて漠然と進めてきた。その時々でtodoを書き出してはいたけど、長期的な視点では整理できていなかったため、場当たり的な進捗になりがちだった。

この脳内管理には以下のようなデメリットもある。
・優先順位の整理が曖昧になった結果、結局どれも手をつけない
・常に「あれもしなきゃ」が脳の一部分を占領することになる
・進捗が可視化されていないので進んでいる実感が持ちづらい

デメリットが多いことは承知しつつも、改善が面倒で「まあ仕事じゃないしね」という言い訳を盾に放置していた。重い腰を上げ、2020上期はNotionで管理する運用を試してみたので、ふりかえってみる。

具体的な管理方法

上記の課題(デメリット)を解決するには、以下の情報が整理されれば良いと考えた。
① 学びたい分野として何があって
② その分野ごとに取り組みたいことに何があり、いつ着手する予定で
③ 各取り組み内容に対して今日やるタスクは何か

これを整理するために、3つのテーブルを親 – 子 – 孫の関係でリンクさせて管理するようにした。

重複レコードが許されたり正規化されていなかったりするので、イメージ図

① 親:Fieldテーブル

自分が学びを深めていきたい分野のテーブル
・例えば、統計 / マーケティング / 機械学習 / …などのような大きな粒度
 ※ 専門分野を深めていく場合は、その分野の中でさらに分化した分野という粒度になる

② 子:Projectテーブル

Fieldテーブルの各分野に対して、具体的に取り組む内容(以下「プロジェクト」と呼ぶ)の各種情報をまとめたテーブル
具体的なやりたいこと、優先度、取り組む時期などを管理する。
・○○という本を読む / ○○を写経する / ○○を作ってみる …という粒度

③ 孫:Todoテーブル

実際に取り組める粒度まで分解したやるべきこと(以下「タスク」と呼ぶ)を管理するテーブル
・1章を読む / ○○について調べる …という粒度

運用の仕方

以下1 ~ 3の整理を随時実施して時々見直しつつ、4の整理は日々行う形で運用した。

1. 学ぶ内容(プロジェクト)を追加する

各分野に対して、今取り組んでいる/今後取り組む予定のプロジェクトとして何があったかを眺めて、この分野はこれもやりたいというものを追加する。
この時、そのプロジェクトはどこまで取り組めたら完了とみなすかゴールを決めておくのが重要だった(「○○をやる」だけだと、完了の判定がしづらいため)。ICEスコアをつけて優先度を決め、取り組む時期を期程度の大きな単位で決めておく。(※ 途中からICEスコアはやめた 後述)

2. 学ぶ内容(プロジェクト)に取り組む時期を決める

進行中のプロジェクトの実施時期と進捗を見つつ、取り組む時期を決める。

Timelineビューだと、複数のプロジェクトの重なりが見えるので時期を決めやすい

3. プロジェクトをタスクに落とす

各プロジェクトのゴールにたどり着くまでにやるべきことは何か、タスクとして書き出す。

4. タスクに取り組む日を決める

Timelineビューで動かして、各タスクの実施日を調整する。実施日は大体で入れておいて、日々状況に合わせ気軽に動かしていた。

Timelineビューだと、複数のタスクの重なりが見えるので調整しやすい

ふりかえり

よかったこと

「いつかあれやらなきゃな(いつかは来ない)」が多少軽減された

取り組みたい内容を登録しておくことで、次に取り組む内容を決める時に選択肢の一つとして検討することになる。

後から見た時、何をやったのか、どのくらいかかったのかがわかる

後からふりかえると「何もできなかった」という気持ちになることがあるけど、記録が残っていることで、ちゃんと進捗はしているのだ(歩みは遅くても)とわかる。
「何もできなかった」が本当に何にも取り組まなかったから正しい認識なのか、あるいは何か具体的に取り組んだけど思ったより進まなかったからそう感じているのかが判断できる。

1回仕組みを作れば、回していくのに手間はさほどかからない

よくこんな面倒なことやってるなと見えるだろうが、一度仕組みができてしまえば見た目ほど面倒ではなかった。

よくなかったこと/反省点

ICEスコアによる優先度決定はあまりフィットしなかった

当初はICEスコア () をつけてスコアが高いものから取り組んでいた。これだとやるべきことばかりが優先度上位に上がり、徐々に学ぶことの苦痛が大きくなっていった。
そこで、途中からはICEスコアによる判断をやめ、やりたいことも並行して取り組むようにした。結果、同時並行でいくつものプロジェクトが進むことになり、脳の切り替えが大変になった。
ICEスコアでなくても、取り組む優先度を決めるための何らかのルールは必要だった。やりたいこととやるべきこと、それぞれ1〜2個ずつしか同時には取り組まないというルールにしてみようと思っている。

タスクの割り方をもう少し工夫したい

例えば技術書を読むというプロジェクトの場合、単純に1章ごとにタスクとして登録していた。実際のところ、分量や難易度によって要する時間は異なる。そのため、複数週にわたって取り組んでも完了できないタスクが出てきた。
進捗が見えづらくなるしやる気も低下するので、もう少し実際の中身を考慮してタスクを割るように変える。

焦燥感はさほど減らなかった

脳内でタスクを管理していた時は、常に「あれもしなきゃ」という焦燥感があった。今回Notionで管理することで見える化され、それが減るのではと思っていたが、さほど減らなかった。これは、やるべきことを整理できていないことが要因の焦燥でなかった、あるいは見える化しても自分のタスクを進める速度は変わらないことあたりが要因かもしれない。

具体的な設定の仕方

似たことをやってみようという方がもしもいた時のため、直感的にわかりづらい箇所の作成手順を簡単に記載しておく。

テーブル同士の関連づけの仕方

紐づく親テーブルのTagsを子テーブルで表示したい場合を例とする。

1. 親テーブルと紐づける
子テーブルで、①プロパティがRelationのカラムを追加し、②親のテーブルを選択する。
③フィールド部分をクリックすると親テーブルのカラム一覧が出るので、紐付けたい親のレコードを選択する。

2. 紐付けた親の任意のカラムを子側で表示する
①子側のテーブルで、プロパティがRollupのカラムを追加する。②フィールド部分をクリックすると各種設定が出てくるので、RELATIONを親テーブル、PROPERTYを表示したい親のカラムにする。

※ 書いておいてなんだけど、公式のhelpページがわかりやすいし詳しい

進捗率のバーの出し方

今回の例だと、そのプロジェクトに紐づくタスクのうち完了した割合を進捗バーとして表示するようにしている。
具体的な設定の仕方については、35D BLOG | Notion でプロジェクトの進捗を可視化する(Formula 機能の使い方)を参照させていただいた。


脚注 (※)
ICEスコア:複数の着手すべき事案がある時に、優先すべきものを順序づける方法
ICEは影響力(Impact) / 信頼度(Confidence) / 容易性(Ease)の頭文字で、この3指標の掛け合わせが大きいものから着手する

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