事業会社のデータアナリストに転職して1ヶ月が経った。現在は都度の分析依頼への対応を複数個と担当プロジェクトを進めているところ。まだ目立った成果にはつなげられていない。
試行錯誤する1ヶ月の中で、自分なりに意識していたことを整理して残しておく。
※ 具体的な数値面でのやったことより、それを円滑に進めるための土台作りとして何をやったかの記載が中心
1. まず置いた前提
転職してまず考えたのは、データアナリストとして価値をどう出すかだった。自分にとっては、分析結果を出すこと自体ではなく、意思決定に寄与することだ。数値をもとに、現場の実情も踏まえた見解を提示し、議論を前に進められる存在を目指したい。
そして意思決定に寄与するには、正しい分析だけでは足りない。意思決定に困った時に相談しようと思ってもらえる関係性が必要だ。「あいつも呼ぼう」と想起される状態である。
入社したばかりの人間がそれに近づいていくためにどうしたら良いか(一朝一夕にはいかないけど、まず何をするか)を考えながら過ごす1ヶ月だった。
2. そのために決めた方針
最初は早く改善提案につなげたいという気持ちもあった。ただ、依頼の背景をヒアリングしたり、既存の集計クエリの意図を解読したりする中で、文脈を知らずに出す分析は的外れになりやすいと実感した。的外れな提案は手戻りを増やすだけでなく、信頼を落とすリスクもある。そこで途中から、提案より理解を優先するようになった。
具体的には、次の3つを意識して動いていた。
– 改善提案を急がない
– 誰がどの数字を使って意思決定しているかを把握する
– 関係者と話す機会を増やす
3. 実際にやったこと
関係づくりのためにやったこと
とりあえず、人と話す機会をなるべく多く持つようにした。人見知りな方で普通にすごしているとなかなか機会が持てないので、ここは自分に多少負荷をかけて意識的に行った。
- 出社を多めにして、顔を覚えてもらえるようにした。横断チームに所属していて、幅広く社内の人と関わる機会があるので、認知してもらうのも大事だと思っている。コート掛けの近くという人が多く通る場所に座っておくようにした。ありがたいことに色々な人に声をかけてもらった。懇親会で一緒のチームだった人、隣に座った人(複数の人が新人だと気づいて、わざわざ自己紹介してくれた)など。
- 1on1の機会を活用した。チームの人に始まり、他の部署の方とも何人かお話しする機会をいただいた。結構1on1を気軽に行う文化があるようなので、今後自分からも積極的に話を聞いて回って課題をキャッチできるようにしたい。
- 全社の懇親会の場で話した方に、「意思決定で困っていることや、本当は取得したいデータはありますか?」と聞いてみた。そんな急に聞かれても出ないかなと思っていたけど、思ってもみない部署の方からも意見をいただけた。データ活用の相談は「データが足りない」よりも、「持っているデータをどう価値のあるストーリーに翻訳するか」が起点になることもあるのだという収穫があった。
理解を進めるためにやったこと
- 抽出依頼に積極的に対応した(既存メンバーより時間かかるので、対応できた数は知れているけど…)。 データに対する理解も進むし、どんな要望があるかも知れるし、幅広い部署の人と知り合えるので複数の観点でお得だった。「なぜ既存のダッシュボードではなく個別の抽出が必要なのか」を観察することで、データマートの不足分という伸び代を見つけることにもつながったと感じている。
抽出依頼に応える際、以下2点を意識した。- 単にクエリを書くのではなく、既存の複雑な集計クエリの”秘伝のタレ”化している部分を解読することに時間を割いた。なぜこのJOINが必要なのか、なぜこのフラグでフィルタリングしているのか。コードの裏側にある過去のビジネス判断を一つずつ紐解く作業は、ドメイン知識をキャッチアップする技術的なトレーニングになった。コードだけでは分からない「なぜこのフラグが必要なのか」といった経緯については、チームのメンバーに聞き「あの時のキャンペーンの影響で…」といった生きた経緯を教えてもらうことで、点だったデータが線としてつながっていった。
- データの全体像を掴むために、新しいテーブルにぶつかる度にdbtのリネージ図を“地図”として眺めた。モデルとソースの依存関係を追いながら、各モデルのSQLも参照することで、ビジネスロジックとデータ構造が少しずつ頭の中で一致していった。
- 「誰がどの数字を使って意思決定しているか」を意識して観察するようにした。
Slackで数値が関わる記載を見かけたら、組織図と照らし合わせて「この部署の人はこんなことを考えているのか」と脳内地図を更新していった。
4. 1ヶ月やってみてわかったこと、これから
まだまだ全然理解できてないなあ、というのが1ヶ月終わっての感触。毎日必死である。
でも、人に会って背景を聞いて、クエリの意図を解読していくうちに、数字の裏にある文脈が少しずつ立ち上がってくる感覚がある。この土台を積み重ねて、“呼ばれる場面”を作っていきたい。

